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  1. コーンウエットミリングとは?

    コーンウエットミリングにおけるプロセスの特徴の一つは、ドライミリングが胚乳、胚芽など植物組織構成毎に分離するのに対し、ウエットミリングでは、でん粉、蛋白質などとうもろこしの化学的構成成分毎に分離することです。

    もう一つの特徴は、工程の最初の段階で希薄亜硫酸水による浸漬工程があり、ここに乳酸醗酵という生化学的プロセスが入ること及び全ての操作は水中で行われ、原料の流れと水の流れが向流式(Counter Current)になっていることです。

    更に、Bottled up processと称するほぼ完全なクローズド・システムになっているため、原理的には外部に流出して失われるものが全くない方式になっています。このため物質収支は極めて良好で99%以上が回収されます。

    ウエットミリングでは、とうもろこしを希薄亜硫酸水中で浸漬し、軟化したとうもろこしを水中で破砕、篩分け、遠心分離、水洗により各構成成分に分離し、{これにより主製品であるでん粉と各種副産物(コーングルテンミール、コーンジャーム、コーングルテンフィード、コーンスティープリカー)を高純度で得る}、得られたでん粉は糖化及び化工澱粉などの加工工程に利用されます。

  2. コーンウエットミリング工程のあらまし

    コーンウエットミリングでは、次の5つの基本的な工程により、とうもろこしをでん粉、油(胚芽)、繊維、蛋白の4つの成分に分離します。

    1. とうもろこしの精選

      原料とうもろこしに含まれるダスト、屑、破砕片等、ウエットミリングに影響する異物を除去する工程です。

    2. 浸漬

      ウエットミリングにおいて最も長時間を要し、かつ生化学反応を伴う工程です。 浸漬は一般的に0.1% ̄0.3%程度の亜硫酸水を用いて、48 ̄50℃、40 ̄50時間程度行います。この間に、亜硫酸水はとうもろこし粒を軟らかくし、構成各部を容易に分離しやすくします。この浸漬中に乳酸醗酵が起こり、浸漬中の腐敗を防止し、胚乳の澱粉粒を包んでいる蛋白質の膜(プロテイン・マトリックス)を崩壊させて、でん粉と蛋白の分離を容易にします。 浸漬タンクは、通常50 ̄200トンの大きさで、8 ̄10基シリーズに配列されており、タンク内では、とうもろこし粒は移動しないが、浸漬水はとうもろこし粒とは向流する形でタンクを循環しながら、更にタンク間を順を追って移動しています。浸漬終了時にはとうもろこし粒は水分が45%程度に吸水し、浸漬液中には6%程度可溶成分が溶出します。この浸漬液は濃縮し、固形分約50%のコーンスティープリカー(CSL)になります。

    3. 胚芽の分離

      胚芽を破損しないで、出来るだけ完全な形でとうもろこし粒から分離するために粗砕を行います。浸漬により可溶成分が溶出し、油分成分が相対的に高くなった胚芽は比重がより小さくなり、胚乳部との比重差が更に大きくなり分離は容易になります。胚芽の分離には、比重差を利用するフローテーション法かハイドロサイクロンが用いられ、得られた胚芽は脱水、乾燥し、コーンジャームとしてコーン油搾油工程に送られます。

    4. 磨砕及びファイバー分離

      胚芽分離後、繊維(ファイバー)除去工程に入る前に磨砕を行います。この磨砕によりでん粉、蛋白質、繊維より成る懸濁液が得られます。 これを多段式スクリーンで水洗しながら繊維を除去します。ここで得られた繊維は脱水し、通常はコーンスティープリカーを添加、乾燥しコーングルテンフィードとなります。

    5. でん粉とグルテンの分離

      胚芽と繊維を除去したでん粉懸濁液(スラリー)を更に、遠心分離機によりでん粉と蛋白(当業界ではグルテンという)に分離します。でん粉粒子の見掛け比重は1.5、水和したグルテンは約1.1であるので、比重差を利用し分離します。分離されたグルテンは濃縮、脱水、乾燥してコーングルテンミールとなります。 グルテンを分離してかなり純粋になったでん粉スラリーは多段式遠心分離機方式、多段式ハイドロサイクロンで洗浄し、水溶性成分と残存しているグルテンや微細な繊維などを除去して精製でん粉スラリーとなります。

      ウエットミリングにおいては新鮮な水を工程に使用する所は、このでん粉洗浄工程のみで、この工程水はとうもろこしの流れとは向流式の流れで浸漬工程に進み、最終的にはコーンスティープリカー原液として、工程より取り出されます。

      得られた精製でん粉スラリーは脱水、乾燥され、コーンスターチとなります。又、精製でん粉スラリーは乾燥せずにそのまま異性化液糖や水あめなどの製造用として糖化工程に向けられたり、化工でん粉の製造工程にも向けられます。

コーンスターチ製造工程図

コーンスターチ顕微鏡写真


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