日本スターチ・糖化工業会の物流対策自主行動計画の取組みについて(2023年12月)
2023年6月2日の「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」において「物流革新に向けた政策パッケージ」が取り纏められ、同パッケージに基く施策の一環として、業界・分野別の「自主行動計画」について2023年内を目途に作成公表することとされたところです。また、その指針として発荷主事業者・物流事業者・着荷主事業者が早急に取組むべき事項を纏めた「物流の適正化・生産性向上に向けた発着荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」が策定されました。
このため、当該ガイドラインに記された取組事項について「日本スターチ・糖化工業会」(以下、工業会という)の自主行動計画を定めました。
今後、工業会は、今回定めた自主行動計画に沿って発荷主事業者及び着荷主事業者それぞれの立場において、相対する発荷主事業者、物流事業者及び着荷主事業者と連携し、物流の改革を進めることとします。
取組事項 | 実行事業者 | 取組指針 | |||
実施が必要な事項 | 物流業務の効率化・合理化 | ① | 待ち時間の把握 | 発・着荷主事業者 | ・出荷に係る荷待ち時間や付帯作業 (製品の積替え、ラベル貼り、運送 事業に付随する業務)に要する時間 を把握する。 |
② | 荷待ち・作業時間の2時間ルール | 発・着荷主事業者 | ・荷待ち、荷役作業時間の低減を目標と する。 | ||
③ | 物流管理統括者の選定 | 発・着荷主事業者 | ・物流業務の実施を統括管理する者 (役員等)を選任し、適正化・生産性 向上に向けた取組の責任者として、 販売・調達部門など他部門との交渉・ 調整を行う。 | ||
④ | 物流改善提案と協力 | 発・着荷主事業者 | ・商取引において物流業務に過度の負担 を掛けているものが無いか検討・改善 する。 ・物流事業者から荷待ち時間や作業及び 付帯作業の合理化について要請があっ た場合には、真摯に協議に応じる。 | ||
⑤ | 出荷に合わせた生産・荷造り等 | 発荷主事業者 | ・出荷時の順序や荷姿を想定した生産・ 準備を行い、荷役時間の短縮を図る。 | ||
⑥ | 運送を考慮した出荷予定時刻の設定 | 発荷主事業者 | ・トラックドライバーが輸送先まで適切 に休憩を取りつつ運行することができ るよう、出荷予定時刻を設定する。 | ||
⑦ | 納品リードタイムの確保 | 着荷主事業者 | ・発荷主、物流事業者の準備時間を確保 し、輸送手段の選択肢を増やすため に、納品までのリードタイムを十分確 保する。リードタイムを短くせざるを 得ない場合には、自ら輸送手段を確保 する(引取)等により物流負荷低減に 取り組む。 | ||
運送契約の適正化 | ⑧ | 運送契約の書面化 | 発・着荷主事業者 | ・運送契約は、書面又はメールなどの電 磁的方法を原則とする。 | |
⑨ | 荷役作業に係る対価 | 発・着荷主事業者 | ・荷主事業者は、ドライバーが行う荷役 作業等の料金について、物流業者に適 正な料金を支払う。 ・荷役作業が運送契約に無いものであっ ても、発・着荷主事業者間で料金を支 払うものを明確化し、物流業者に対し て対価を支払う。 | ||
⑩ | 運賃と料金の別建て契約 | 発・着荷主事業者 | ・運送契約締結の場合は、運送の対価で ある運賃とこれ以外の役務の対価であ る料金を別建てで契約することを原則 とする。 | ||
⑪ | 燃料サーチャージの導入、燃料費など上昇分の価格への反映 | 発・着荷主事業者 | ・物流事業者から燃料サーチャージ導入 について相談があった場合は、その協 議に応じ、コスト上昇分の運賃・料金 を設定する。 | ||
⑫ | 下請取引の適正化 | 発・着荷主事業者 | ・運送契約の相手方の物流事業者(元請 事業者)に対して、下請けに出す場合 は上記の⑧から⑪について対応するこ とを求める。 | ||
輸送・荷役作業等の安全の確保 | ⑬ | 異常気象時等の運行の中止・中断 | 発・着荷主事業者 | ・台風、豪雨、豪雪などの異常気象が発 生した場合又は発生が見込まれる際 は、無理な運送依頼を行わない。 また、物流事業者が運行の中止・中 断が必要と判断した場合はそれを尊重 する。 | |
実施が推奨される事項 | 物流業務の効率化・合理化 | ⑭ | パレット等の活用及び標準化 | 発・着荷主事業者 | ・パレット、かご台車、折り畳みコンテ ナ、通い箱を活用し荷役時間を短縮す る。 ・他社所有のパレットを活用する場合 は、使用後所有者へ速やかに返却す る。 |
⑮ | 輸送方法・輸送場所の変更による輸送距離の短縮 | 発荷主事業者 | ・長距離輸送におけるモーダルシフト、 幹線輸送部分と集配輸送分の分離・集 約を実施する。 | ||
⑯ | 共同配送の推進による積載率の向上 | 発荷主事業者 | ・輸送単位が小さい場合には、他の荷主 事業者との連携や物流事業者への積み 合せ輸送を実施し、積載率を向上す る。 | ||
⑰ | 発注の適正化 | 着荷主事業者 | ・通行効率を向上させるため、適正在庫 の保有や発注の大ロット化を通じて発 注を適正化させる。 | ||
⑱ | 納入先への要請 | 発荷主事業者 | ・物流業務の効率化・合理化を目的とし た自主行動計画の円滑な実施を図るた め、製品納入先に対して荷降ろし作業 における時間短縮等に繋がる事項を文 書に取りまとめ要請活動を行う。 | ||
輸送・荷役作業等の安全の確保 | ⑲ | 荷役・作業時の安全確保 | 発・着荷主事業者 | ・ドライバーの夏季の熱中症対策及び冬 季の感染症対策を行う。 |
日本スターチ・糖化工業会物流対策自主行動計画の円滑な実施のためのご協力について
2023年12月
お取引先 各位
日本スターチ・糖化工業会
日本スターチ・糖化工業会物流対策自主行動計画
の円滑な実施のためのご協力について
2023年6月に発出された「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」にもとづき、日本スターチ・糖化工業会(以下、「弊工業会」という)では、物流対策自主行動計画を作成しました。
当該自主行動計画の円滑な実施を図るため、弊工業会各社が製品を納入するにあたり、下記の事項についてご理解ご協力を頂きたくここにお願い申し上げます。
記
1. オーダー発注の際は、納期に余裕を持たせた発注をお願いします(変更・キャンセル含む。)。
2. 納期に指定時間の設定がある場合には、道路渋滞など予期せぬトラブルにより遅延の可能性がありますこと
をご考慮下さい。
3. 納入に当たり待ち時間などが発生しないよう、車両入場後速やかな荷下ろし作業をお願いします。
4. 荷下ろし作業に際して積み替え作業やドライバー自身による自主荷役作業などドライバーの負荷になる作業
の指示はお控え願います。
5. 納入検品に当たり、例えば、斗缶製品のわずかな凹みなどがある場合は返品とせず、製品品質に影響を及ぼ
さない範囲で受領いただくようお願いいたします。
6. 異常気象時(台風、豪雨、豪雪など)において、物流事業者がドライバーの安全を確保するための運行中
止、中断を判断した場合は、弊工業会ではその判断を尊重することとします。
以上
本計画は、内閣官房の「我が国の物流の改革に関する関係閣僚会議」のホームページ
(自主行動計画|内閣官房ホームページ (cas.go.jp))にも掲載されています。
必要に応じてファイルをダウンロードしてご活用ください。
(2023-12-18・207KB) |
(2023-12-18・127KB) |